ワイヤーロープの基礎知識

ワイヤーロープの構成図

ワイヤロープとは

鋼線をより合わせてストランドとし、そのストランドをさらに繊維芯のまわりに数本より合わせて作ったロープのことです。

材料に使われる主なもの



素 線
  • 硬鋼線材のSWRH 52A-82B
  • ピアノ線材のSWRS62A-82Bなど
  • 表面処理の材料
  • 亜鉛
  • 心鋼の材料
  • 麻類
  • 面糸等
  • 合成繊維類
  • ロープグリース
  • 赤、黒、特殊、高温用、リフト用ロープグリースなど

  • ワイヤーロープのよりの種類

    ワイヤーのより

    ワイヤロープのより方には「普通より」と「ラングより」の2種類がありさらに、ストランドをよる方向によって、Zより(左より)とSより(右より)があります。

    普通より
    ロープのより方向とストランドのより方向とが逆方向によられています。
    ラングより
    ロープのより方向とストランドのより方向とが同一方向によられています。
    ロープのより方別特性の比較
    項目
    普通より
    ラングより
    外観 素線はロープ軸にほぼ平行。 素線はロープ軸に対してある角度をなす。
    利点 キンクしにくく、取扱いが容易。
    よりが締り、形くずれしにくい。
    表面に現われている素線は長く、耐摩耗性に優れている。また 柔軟で耐疲労性も良い。
    欠点 耐摩耗性と耐疲労性はラングよりに劣る。 ロープの自転性(トルク)が大きく、キンクを生じ易い。
    ワイヤロープの略号
    より方
    普通より
    ラングより
    Zより
    Sより
    Zより
    Sより
    グリースの種類
    めっき有無
    0/0
    C/0
    O/S
    C/S
    O/L
    C/L
    O/LS
    C/LS
    めっき
    G/O
    GC/O
    G/S
    GC/S
    G/L
    GC/L
    G/LS
    GC/LS

    ワイヤロープの直径の測り方 ワイヤロープの計算式(参考)


    ロープ経の図り方

    ロープ経の図り方 ワイヤーロープの直径は、外接点の直径でいい、索端から1.5m以内を除く、任意の点を2箇所以上測定しその平均値をもって表します。

    ワイヤーロープの計算式

     ワイヤーロープの計算式

    ロープの解き方

    ロープの解き方

    ロープを引き出す場合は、荷を回転させながら行うようにし、適切なブレーキをかけてください。引出しを謝ると、よりの長さが変わったり、キングになることがあり、トラブルのもとになります。

    注意事項

    荷を回転させず、おいたまま引き出すのは厳禁です


    ドラムへのロープの取り付け

    平ドラムへのロープの取り付けは、ロープの回転方向を考え、図のような上綱の場合、Zよりロープは⇦から右へ、Sよりロープは右から⇦へ巻き取るようにします。

    注意事項

    溝付きドラムにロープを取り付ける場合は、巻取り方向を考慮する必要は特にありません

    ドラムへのロープの取り付け
    ロープ多層巻注意

    多層巻

    1層目は、ロープ破断荷重の2%程度の張力をかけ、固く巻くようにする。ドラム溝・溝ピッチに合わないロープや、ドラム溝に縄目のついてしまったドラムは使用しないでください。

    注意事項

    ロープの乗上げ、クロス、強摩などを避けてください。

    ドラムの捨て巻

    捨て巻は、クレーン構造規格などでは2巻以上と定められていますが、安全の為、出来るだけ「5巻以上」としましょう。

    注意事項

    捨て巻は、平ドラムでも、溝付きドラムでも同じです。摩擦力を考え5巻以上としてください。

    ドラムへの捨て巻

    ワイヤーロープの寿命を延ばすには?

    新しいロープを使用する場合は、軽荷重・低速運転をしてロープをなじませてから正常運転に入る方がロープの寿命は長くなります。また使用前に使用荷重よりも少し思い荷重を数時間かけて、ロープの初期伸びを取れば更に寿命を延ばす事が出来ます。

     

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